失火により、相談者を含む3軒が焼失し、1軒が残りました。 (長屋ですが、土地と建物はそれぞれの方の所有です。)
相談者には約3.7m×15.0m(55.5u)の土地が残りました。 この土地に家を建て替えるのですが、相談者には不満があります。
まず、焼失をまぬがれた1軒は修繕をして以前の広さの家が残りますが、 残りの3軒については以前と同じ広さの家を建てられないこと、又、「隣家から50cm空けないといけない」と言われ、「両隣から50cmづつ空けると間口が2.7mになって細長い家しか建てられない」という事です。
はじめの相談の以前と同じ広さの家を建てられないという件は、建築基準法では用途地域により建ぺい率、容積率が定められています。この地域では建ペイ率60%でした。
よって、建ぺい率が60%の地域では55.5uに対して33.3uの建物しか建てられません。 (建築基準法で建ぺい率が制定されたのは昭和45年6月20日ですので、それ以降に建築された建物について適用されています。) 又、「隣家から50cm空けないといけない」という件は、民法234条に記載されている寸法であって、建築基準法で規制されている寸法ではありません。 ですから、工事施工の上で可能であれば隣家ギリギリ建てることもできます。
(ただし、隣家への説明は必要です。) ただ、50cm空いていれば、そこに雨水、汚水、雑排水管を埋設することができます。
隣家ギリギリに建てれば、各排水管は建物の内側に埋設することになり、将来トラブルが発生した場合には床下を掘り返さないと工事をすることが出来なくなってしまいます。
床面積の算定は、柱、梁、床(天井)で囲われた部分の面積を表わすので、床(天井)が無ければ床面積の算定部分に含まれません。
今回のように、以前と同じくらいの広さの家を建てたいと思う場合には、この事を考慮に入れ、壁に囲われたデッキやバルコニーなどを設け室内と一体となるような平面プランを考えれば、少しでも広く感じる家が計画されるのではないでしょうか。
又、天井裏や床下に物置等を設ける場合には、高さが1.4m以下でその部分のある階の床面積の1/2未満であれば床面積に算入されませんし、階にも算入されません。
《狭い敷地でもアイデア次第で広く使えます。》 |